悼む人
今年の10冊目は『悼む人』(天童荒太/文藝春秋)です。
自分とは縁もゆかりもない人が死んだ場所を訪ねて、その死者を悼んで、日本中旅をしている青年、静人(しずと)の物語。この静人の行動を追うのと並行して、末期がんである静人の母、エログロの記事ばかり書く週刊誌記者、夫を殺害し刑期を終えて出所したばかりの女の事情も綴られていきます。静人が死者を〈悼む〉ときの独特なボーズがあるのですが、その意味するところは……。
またしても、ずるずる泣きながら読んだ本。年明けからこっち、「死」がテーマの本や映画(今ごろ『おくりびと』です)に続けて接し、いろいろな思いが頭のなか、胸のなかで渦巻き、重くなっています。すごくメッセージ性の強い本なので、しんどい人にはしんどいかもしれません。わたしは1回いそがしくて読めず図書館に返却し、また予約してやっと読んだのですが、あきらめずに読んでよかったと思っています。
静人は、自殺者も、事故で亡くなった人も、殺人事件で亡くなった人も、虐待で殺された子供も、天災で亡くなった人も、とにかくどんな死者も平等に悼んでいきます。その人たちが、誰に愛され、誰を愛し、どんなことで人に感謝されていたかを胸に刻んで悼みます。それをすべてノートに記録していくのですが、なんとその記録が『静人日記』(天童荒太/文藝春秋)というタイトルで360ページの本になっているのだそうです。天童荒太さん、すごい。『悼む人』のアイディアが浮かんでから書き上げるまでに7年かかっていることを、謝辞で知りました。その歳月を思い、あらためて圧倒されました。直木賞受賞作品です。
(こっそり、ミーハーネタ。映画化されるなら、静人は加瀬亮くんがいいな)














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